夏の空~彼の背中を追い掛けて~
う゛う゛っ……寒っ。
秘密の場所は屋外の為、コンクリートに座って居るだけで、体が直ぐに冷えてしまう。
漣は、来る気ないのかな?
妊婦は足腰を冷やしちゃいけないし、教室へ戻った方が良いい?
体が小刻みに震え始めたけど、中々戻る気にはなれなかった。
赤ちゃん、寒くない?
もう少しだけ、ママに付き合って?
小さな命が宿るお腹を擦りながら、少しでも寒さを防ぐ為、私は壁の隅に身を潜めた。
ハーッ ハーッ。
手に息を吹き掛け、上下に足を摩っていると、フワリとコートが肩に掛けられる。
「遅くなってごめん。隣…座っても良い?」
言いながら、漣は少し距離を空けて座った。
これは私が元カノだからそうしたのではなく、まだ男の人に対して無意識に距離を置いてしまうし、漣はその原因を作った張本人。
だから申し訳ない気持ちと、気遣いによるもの。
「有り難う」
思わず、感謝の気持ちを口にすると、漣はキョトンとした顔で私を見返した。
そっか…主語を言わないと、意味分かんないよね。