夏の空~彼の背中を追い掛けて~
「ここに来てくれて有り難う。それからコートも有り難う」
「礼なんて良いのに…。それより話って何?」
「…あのね……私、妊娠してた…。漣、心配してくれてたから、報告だけはしとくべきだと思って…」
「…そっか…。子供の父親はアイツ?」
「うん…」
それっきり漣は黙り込んだ。
そりゃぁそうだよね。
赤ちゃんのパパは自分じゃないし、それ以上の事は何も言えないもんね。
取り敢えず、直接報告をしたかっただけだし、教室へ戻ろう。
「私、先に行くから漣は数分後にお願いね」
時間差で教室へ戻れば、2人で会っていたと、誰も気付かない。
私は立ち上がり、羽織っていたコートを漣の肩に掛けた。
すると、ずっと黙っていた漣が私の手を掴み、こう尋ねた。
「もう道は1つしかないんだよな?アイツは何て言ってんの?」
「俊ちゃんは…まだ何も知らない。話してないの…」
「何でそんな大事な話をアイツにしないの!?妊娠したって事は、こうなると分かってて中出ししたって事だろ!?」
「……」
私には何も答えられなかった。