夏の空~彼の背中を追い掛けて~
俊ちゃんとはセフレで、付き合ってる訳じゃない。
中出しを拒めなかったのは、少なからず心の何処かで、私はこの結果を望んでいたのかも知れない。
「俊ちゃんは彼氏じゃないもん。話しても言われる事は分かってる…」
昨日は、どんなに反対されても、子供を守る為なら何だって頑張る!って決めたのに、いざとなると臆病風に吹かれて、逃げ出したくなってしまう。
「分かってるなら、なんで避妊しなかった!?好きだから拒まない?そうじゃないだろ?好きだからこそ、お互いの将来の事を考えてきちんとすべきだったんじゃない!?」
「うん…」
そうだよね。
漣の言う通り。
私が間違ってた。
でも、今更その事に気付いたって、どうする事も出来ない。
赤ちゃんは日に日に成長していくし、隠し通せる事ではない。
「漣…私、どうしたら良い?…赤ちゃん…産みたいよぉ…」
突然泣き出した私の手を引っ張り、漣は隣に座らせた。
「真弥の友達で、誰か相談に乗ってくれる人は居ないの?」
「昨日、紀香には話したけど…何も言ってくれなかった…」
「そっか…。まぁ何も言わなかった田川さんの気持ちも分かるし、真弥の気持ちも分かるよ。だって俺ら、散々話し合ったもんな…」
漣は下を向き、何も喋らなくなった。
そして、ハッとした様に頭を上げると、羽織っていたコートを慌てて私に掛けた。