夏の空~彼の背中を追い掛けて~
最初の頃は男の人が近付くだけで、体が一定の距離を置いていた。
だけど時間が経つにつれ、少しずつそれも治まり、ある特定の人にだけ敏感に反応を示してる。
「漣は今、私に対して全く下心がないでしょ?」
そう、これは最近分かった事。
悪までも自己判断なんだけど、孝道君の様にしたい気満々だったり、下心を感じられる様な相手には、恐怖心が半端ない。
けど全く無害な人と、私自身が心を許した相手には、普通に接する事が出来る。
例え漣が元凶だったとしても、恐怖心が無いのは、今の私が漣を受け入れてる証拠。
「だから、怖くないよ」
「良かった…」
ホッとしたように漣は安堵の息を吐く。
そして、ゆっくりと私の向かい側に移動し、ジッと目を見つめてくる。
何!? ちょっと目付きが変わった!?
優しい瞳ではあるけれど、獲物を見付けた肉食獣の様な雰囲気も感じる。
だけど、不思議と怖さは感じない。