夏の空~彼の背中を追い掛けて~
「漣、彼女に知られたら誤解されちゃうよ?だから、手を放して?」
「あっ、んっ?真弥、知らなかった?俺、夏からずっとフリーだよ?」
「えっ?そうなの!?」
思わず顔を上げると、目の前に漣の顔があった。
ち…近い。
近すぎる。
久々の距離間に、否応なしに鼓動が駆け出す。
駄目だよ、ドキドキしちゃ!
恋心は無いにせよ、これじゃぁ恋多き人って事になるんじゃない!?
動揺を悟られない様に、私はサラッと腕時計に視線を移した。
「あっ!もう昼休み終わるから、そろそろ教室に戻ろう?」
緩んだ腕の中からスルッと抜けて立ち上がると、漣も一緒に腰を上げる。
「真弥、もし俊ちゃんに反対されたら…俺が守ってやるから!」
「えっ?それって……」
『どう言う意味?』と問い掛ける前に、漣は背中を向けて駆け出した。
「あ寒い」
「掃除するの面倒」
近くから、そんな会話が聞こえて来る。