夏の空~彼の背中を追い掛けて~


「漣、彼女に知られたら誤解されちゃうよ?だから、手を放して?」



「あっ、んっ?真弥、知らなかった?俺、夏からずっとフリーだよ?」



「えっ?そうなの!?」



思わず顔を上げると、目の前に漣の顔があった。



ち…近い。



近すぎる。



久々の距離間に、否応なしに鼓動が駆け出す。



駄目だよ、ドキドキしちゃ!



恋心は無いにせよ、これじゃぁ恋多き人って事になるんじゃない!?



動揺を悟られない様に、私はサラッと腕時計に視線を移した。



「あっ!もう昼休み終わるから、そろそろ教室に戻ろう?」



緩んだ腕の中からスルッと抜けて立ち上がると、漣も一緒に腰を上げる。



「真弥、もし俊ちゃんに反対されたら…俺が守ってやるから!」



「えっ?それって……」



『どう言う意味?』と問い掛ける前に、漣は背中を向けて駆け出した。



「あ寒い」



「掃除するの面倒」



近くから、そんな会話が聞こえて来る。





< 203 / 354 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop