夏の空~彼の背中を追い掛けて~
外へ出ると、うっすらと雪が積もっていた。
「真弥、ここで少し待ってて」
そう言うと俊ちゃんは何処かへ向かって走り出し、直ぐに姿は見えなくなった。
何処へ行っちゃったんだろう…。
チラチラと舞う雪を眺めていると、何処からかバイクの音が聞こえて来た。
ブルルーン ブブーン。
この音はT○-R?
俊ちゃんのバイク?
エンジン音に耳を傾けていると、それは段々近付いて私の前で停車する。
「真弥、乗れるか?」
「うん」
私はお腹に強い振動を与えないように、踏み込む力を緩めて、傾けられたT○-Rの後ろに乗った。
すると直ぐにバイクの車体が起こされ、私は体勢を整えてから俊ちゃんの体にギューッと抱き付いた。
「出発するよ?」
「うん」
コクコク頷いて返事をすると、カチャカチャッとギアが切り替わり、バイクは穏やかに発進した。