夏の空~彼の背中を追い掛けて~
不愉快に思いながら彼の視線を辿ると、陽人が私に指を差していた。
え゙っ!? この人、陽人とジェスチャーで会話してるの!?
思わず彼の方を見ると、彼も私に指を差し、何かを確認するようなジェスチャーをする。
何を話してるの!?
明らかに、私に関する何かだよね!?
だけど2人が何を伝え合っているかは、当人同士にしか分からない。
でも、私の中で何か感じるモノがあるのだろう。
『彼には関わるな』
そんな声が頭の中を通り過ぎて行く。
良し!次に話し掛けられたら、また無視しちゃお!!
あっ!でも隙を見てこの場を離れる方が良い?
だけど何処へ行く?
外には陽人が居るから、出る事は出来ない。
私は答えを出せず、助け船を求めて目の前に立つ紀香を見上げた。
しかし、前方に座る2人と陽人のジェスチャーばかりを見て、私とは全く目が合わない。
ダメだ…紀香に助けて貰うのは無理だ…。
どうしよう…。
他に策はないかと試案していると、彼が唐突に私の腕を掴んだ。