夏の空~彼の背中を追い掛けて~
「お前になくても、俺らにはある。付いて来い!!」
「あ面倒くせーな……。何だよ」
シブシブ腰を上げた陽人はポケットに両手を入れ、ダラダラ歩きながら私達の後を付いて来る。
ほんの数分前まで2人で居た場所に着くと、俊ちゃんは気持ちを落ち着かせるように、大きく息を吸い込み『フーッ』と吐き出すと、陽人の目を確り捕らえて話し出す。
「真弥が俺の女だって事は、さっき伝えたよな?」
「あぁ」
「もう真弥には関わらないでくれる?」
「……」
「迷惑してるの、分かるだろ?」
「……」
話を聞いているのかいないのか、陽人は全く答えようとしない。
何を言っても無理なのかな?
でも迷惑してる事や思っている事は、ハッキリ言わないと相手には伝わらない。
「陽人。私の話を聞いてくれる?」
ダメ元で話し掛けると、ギロリと睨み付けるような尖った目付きで、陽人が私を見返す。
その顔に思わず尻込みして、体がジリジリと後退る。