夏の空~彼の背中を追い掛けて~
「俊ちゃんも私も同じ。目の前にそう言う人が現れて、迫られたり言い寄られてるのを見たら、心穏やかじゃいられない」
ユカと並んで座っていた俊ちゃんの後ろ姿が、チラチラと頭を過る。
「陽人には今、彼女が居るんでしょ?その人が大切なら、悲しませるような事はしちゃいけない」
「……あぁ…」
小さいけれど微かにそう返事をして、陽人はこの場を去って行った。
分かってくれたのかな?
まだまだ不安は拭えないけど、今日の所は大丈夫そう。
そう自己完結し、私達は休憩室へ戻った。
「俺、真弥が卒検に合格するまで、毎日来るから」
俊ちゃんの優しい言葉が心に染み渡り、暖かさに包まれていく。
「有り難う。でもバイトもあるし大変でしょ?」
「大丈夫だよ。ここは通り道だし、陽人の事もまだ心配だし…」
うん、私も陽人の事は凄く心配。
今後も今日みたいな事があったらどうしようと、不安しかない。
だけど、俊ちゃんが傍に居てくれるなら、また一緒に越えて行ける。
「ごめんね…」
申し訳ない気持ちで頭を下げると、俊ちゃんはその頭をクシャクシャッと撫でてくれた。