夏の空~彼の背中を追い掛けて~
エンジンを掛け発進態勢に入った時、母が外に顔を出す。
「真弥、どこの病院へ運ばれたか分かれば、お母さんが送るよ?」
ん、バイクより車の方がお腹への負担も少なく、より安全。
だけど、病院へ着くまでの間に、色々と聞かれる事は間違いない。
それに、わざわざ迎えに来てくれた紀香達に申し訳ない。
「バイクで行くから良い」
ギュッと孝道君の服を掴むと、カチャカチャッとギアを変え、バイクは走り出した。
何処の病院へ行くのかは、まだ知らされていない。
俊ちゃんは大丈夫なのだろうか…?
怪我は…してるよね…。
バイクは車と違い、怪我をする確率が高い。
でも、奇跡的にかすり傷で済んだって話も、世の中には多々あるし、もしかしたら俊ちゃんもその部類に入っているかも知れない。
そう思えば、不思議と不安は和らいでいく。
だけどフッとした瞬間に、ネガティブな心が顔を出す。
もしもだけど…大怪我をしてたらどうしよう。
「大丈夫?」なんて言えない。
私が会いに行ける状況だったなら、俊ちゃんは事故に遭わずに済んだはず。