夏の空~彼の背中を追い掛けて~
「もしかして…貴女が真弥さん?」
「はい…。直方真弥です。初めまして…」
ペコリと頭を下げると、お義母さんは優しい笑みを向けてくれた。
「初めまして、俊介の母です。さぁ、立ってないで皆も座ろう?」
お義母さんに促され、救急処置室前の長椅子に各々座る。
私は何処に座ろうか迷いながら、皆から少し離れたら位置に腰を落とした。
「おばさん、俊ちゃんの怪我って酷いの?」
孝道君の問いに、お義母さんはハンカチで目頭を押さえながら、ゆっくり言葉を返す。
「…意識が…無いって…」
えっ!?
意識が無い…?
嘘でしょ!?
何かの間違いじゃないの!?
この場に居る誰もが言葉を失い、重い空気と沈黙が流れていく。
耐え難い。
そう思ったのか、紀香が静かに席を立つ。