夏の空~彼の背中を追い掛けて~
うっすらと目を開けると、母と俊ちゃんのお母さんの姿が視界に入る。
「真弥…気が付いたの!?」
視線が交わった母が、鬼のような形相でベッドへ向かって歩いて来る。
何で…お母さんがここに…?
状況が分からない私は、意識が途切れる前の記憶を辿った。
俊ちゃんの後を追おうとハサミを振りかざしたら、寸前の所で俊ちゃんに助けられて……。
初めて『愛してる』って言われた後、急にお腹が痛くなって………。
あっ!!
「あ…赤ちゃんは!?」
私は咄嗟にお腹に手を触れた。
「子供は無事よ…。もう4ヶ月目に入ってるそうじゃない!何で黙ってたの!?」
静かに、だけど重圧のある口調に、私は小さく踞る。
「ご…ごめんなさい…」
「ごめんなさいじゃないわよ!真弥の事、信じてたのに…。もう少し早く私も気付いていれば……」
母は悔しそうに、唇を噛み締めた。
「お母さん、もう少し早く分かってたら何したの?私のお腹から、赤ちゃんを無理矢理引き摺り出すつもりだったんじゃないの!?」
「だって、あんたはまだ高校生じゃない!それに働いて貰わないと家には借金もあるのよ!?」
「何それ…。自分達の借金返済の為に子供を働かせる!?最低な親だね」
痛い所を突かれ、母の顔は益々怖さを増す。