夏の空~彼の背中を追い掛けて~
「産む事に反対はしないけど、条件がある」
条…条件?
「篠栗さん、妊娠の事が学校に知られたら、真弥は退学になります。それだけは避けたいので、呉々も学校に知られる事がないようにお願いします!特に真弥!!あんたが1番気を付けるのよ!!」
「うん。分かった!」
相変わらず母の鬼の形相は変わらないけど、どうにか出産の許可は貰えた。
俊ちゃん、聞こえてる?
私、赤ちゃんを産めるんだよ?
1番の難関を突破出来たんだよ♪
これから、赤ちゃんが無事に産まれるよう、見守っててね。
「お母様、有り難うございます。入籍は出来なかったけど、真弥さんは俊介のお嫁さんであり、篠栗家の娘です。妊娠の事は決して他言致しません」
「宜しくお願いします。それでは、私は先生の所へ行きますので、失礼します」
母は小さく頭を下げ、処置室を出て行く。
それから程なくして、先生と一緒に母が戻って来た。
「直方さん、今お腹に痛みを感じますか?」
のんびりと穏やかな口調で、先生が問い掛ける。