夏の空~彼の背中を追い掛けて~
“定食屋 華”
入り口の看板にはそう書いてある。
「ここね、私のお母さんが働いてるんだぁ」
そう話した紀香は『ただいまー』とドアを開ける。
「あっ紀香。今帰り?」
「うん。お母さん、今日ウチに泊まる真弥だよ?」
「初めまして。今日はお世話になります」
紀香に紹介され、私は慌てて挨拶をした。
「何にも無い所だけど、ゆっくりして行ってね」
「はい!」
接客業をされてるせいか、ふんわりとした笑顔と物腰が柔らかい話し方が印象に残る。
紀香が何故、こんなに明るい子なのか納得さえ出来た。
「お昼まだでしょ?ここに座って」
お母さんが案内してくれた席に座ると、焼き肉定食が運ばれて来た。
えっ!?まだ注文してないよ!?
躊躇する私を余所に、紀香は定食を頬張る。