夏の空~彼の背中を追い掛けて~
「真弥、遠慮しないで食べて♪美味しいから♪」
語尾にハートマークが付きそうな可愛い口調で紀香は言う。
『遠慮しないで』と言われても、お店のメニューでしょ!?
誰だって遠慮すると思うけど…?
「早く食べないとバスが来ちゃうよぉ」
ハッ!?バス!!
そうだよ!乗り遅れる訳にはいかない。
遠慮と戸惑いはあったけど、私は言葉に甘えて頂く事にした。
ちょっと時間は掛かったけどどうにか完食し、重たく感じる体を恨めしく思いながら、私達はバス停へ移動した。
数十分後、○山行きと表示されたバスが停車する。
「真弥、これに乗るよ」
「うん」
バスに乗ると、この前俊ちゃんに出会ったあの路を静かに走り出す。