夏の空~彼の背中を追い掛けて~
あっ!あそこに見える小さな坂は、俊ちゃんとバイクで走った道だぁ。
こうして見てると、あの日感じた胸の高鳴りと、電気が走った様な衝撃が甦る。
ホントに白馬に乗った王子様だったよ。
浮き足立つ様な気分で外を眺めていると、バスは蛇の様なクネクネしたカーブに差し掛かり、右・左・右・左と休む事なくそれは続く。
そっか…私、この道を通るの始めてなんだよね。
んっ?そう言えば、このバスはまだ、一度もアナウンスしてない。
それもそうか!!
だって家が無いから、バス停すら見掛けてないもんね。
代わり映えしない景色を眺めていると、バスはお店屋さんの前で停車した。
ここって、夏休みに皆で居た所じゃん。
まさかここが一番最初の停留所だなんて思いもしなかったよ。
私達はバスを降り、紀香の家に直行した。