夏の空~彼の背中を追い掛けて~
「ただいま~」
紀香が玄関を開けると、奥の部屋から何やら人の声がする。
んっ?誰か居るのかな?
「お邪魔しま~す」
私は一声掛け、奥の部屋に顔を出した。
すると、そこには夫婦仲良くテレビを観ている、お爺ちゃんとお婆ちゃんの姿があった。
「こんにちは。今日はお世話になります」
「えーっ?何?あんたは誰?紀香の友達?」
少し耳が遠いのか、ゆっくり喋るお婆さんの声はかなり大きい。
「はい、紀香の友達です。今日は泊まりに来ました」
私は聞き取りやすい様に、一言一言をハッキリと大きめに発音した。
「んーそうね。ゆっくりして行って」
私の言葉を聞き取ってくれたお婆ちゃんは頷く様に言った後、再びテレビに視線を戻す。