夏の空~彼の背中を追い掛けて~
「婆さんお茶…」
「はいはい」
お爺ちゃんが湯呑みを差し出すと、お婆ちゃんはテーブルの上に置かれた急須にお湯を注ぐ。
「…はい、どうぞ」
「ん…」
湯呑みを受け取ったお爺ちゃんはそれを口に運び、満足そうに笑みを溢す。
私の祖父母には訪れなかったアットホームな光景に、つい見惚れてしまう。
ううん、本当は羨ましくて目が離せなかったのかも知れない。
だって私の祖父母・両親は毎日の様に夫婦喧嘩が絶えないから…。
「真弥、私の部屋に行こっか」
先に着替えを済ませた紀香が、部屋へ入って来る。
「うん。お爺ちゃんお婆ちゃん、今日はお世話になります」
私は2人に一礼して、廊下へ出た。
紀香の部屋は2階に有り、縦長で10畳程のフローリング。
一歩中へ入り驚いた事は、背中合わせに置かれた机の上に、漫画雑誌とコミックがズラリと並んでいた事。
最近まで友達間で回し読みしてた本や最新作、ジャンルは恋愛系がメインだけど男の子向けの本もチラホラある。
私も漫画本が好きで色々持ってるけど、流石にここまでは持っていない。
凄いとしか言いようがないよ…。