もらう愛=捧げる愛
「お待たせいたしました」


テーブルに並べられたのは、2人分のハンバーグ。


「ごゆっくりどうぞ」


そう言ってマヨネーズがたっぷり入ったココットの容器を置いて、店員さんは厨房に消えた。


「?」


サラダにはドレッシングがかかってる。


何のマヨネーズ…?


ハルくんは笑ってソースのかかってないハンバーグにマヨネーズをのせた。


え…。


ハンバーグにマヨネーズ…?


デミグラスソースじゃない、の…?


「初音さんもどうぞ」


そう言ってあたしのハンバーグにもマヨネーズをのせたハルくんは、


「いただきます」


と言って、何の躊躇もなくマヨネーズののったハンバーグに左手でナイフを入れた。


「うん。やっぱこの店のハンバーグは最高。初音さんも食べて?」


「う、うん…」


大きめのみじん切りの甘いたまねぎとスパイシーなハンバーグに添えられた程良い酸味のマヨネーズは、意外にも合う。
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