もらう愛=捧げる愛
家で1人で怯えるより、ここの方が楽。


ハルくんの隣にいると、なぜか安心できた。


「初音さん、昼、どうする?」


「あたし…食欲なくて。ハルくん行っといでよ?」


「初音さん?」


「ん…?」


「ちょっと、いい?」


「うん…」


キーボードを打つ手を休め、ハルくんの後ろをついて給湯室へ。


ハルくんはおもむろにあたしの左手を取る。


「ヤケドじゃないね?」


取られた左手の甲は一時的な腫れを通り越し、青紫色に変わっていた。


この痣の意味を。


ハルくんにだけは知られてはいけない。
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