もらう愛=捧げる愛
「初音さん、手伝おうか?」


「ううん、いいの、ハルくん。すぐに終わるから。お疲れ様でした」


「うん…。じゃあ、お先に」


ハルくんのいなくなったあたしの左隣。


いてくれれば安心できたのに、帰ってしまったハルくん。


汚いあたしは追う事すら許されない。


…当然の報いだよ、ね。


ガランと人のいなくなった事務室でノロノロと仕事を片付ける。


時間は夜の7時。


終わっちゃった…。


パソコンの電源を切り、更衣室で着替えると、職員通用口に出る。
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