もらう愛=捧げる愛
───………。


「初音?」


───!?


呼ばれた名前に瞬時に体が強張る。


でも薄暗い部屋の中、あたしを抱いてくれていたのは多田さんじゃなく星野課長の腕だとわかり、肩の力が抜ける。


「眠れてなかったんだな?」


「はい…。夜が怖くて…」


「初音のケータイ使って多田を呼び出しておいた。行こう」


「今…?」


「もう少し、時間がいるか?」


「…いえ。行きます…」
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