愛する人。
「ねえ?
裕太にぃはまだ退院出来ないの?」
初めて会ってからすでに5ヵ月。
いつも19時にはこの場所で裕太にぃを待ってた俺。でも、なぜか今日に限って来るのが遅かった裕太にぃに、今思えば、子供ながら残酷な質問を浴びせた。
そんな俺の質問に、優しい裕太にぃは少し困った笑顔で「僕も早く出たいんだけどね」と、俺の頭を撫でながら答えてくれた。
ふうん、とまた宿題に目を通した時に、裕太にぃを探す声がして。
彼は「ちょっとごめん」と言って席を立つと、長い廊下に向かって行った。
その姿を特に気にせず宿題の続きをしようと教科書に視線を向けると、リズム良いヒールの音が近付いてきた。が、途中で音のリズムが崩れた。
ふと視線を上げると、裕太にぃに抱き締められるように女性がいた。
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