愛する人。




 俺は自分でも良く解らない、胸のモヤモヤに気付かぬように2人をただ見ていた。



 彼女は俺に気付いたようで、こちらを見て会釈をする。


 裕太にぃと同じくらいの年だろうか。

 鎖骨辺りまでの栗色の髪を耳にかけて、クリクリした瞳を長細く見せながら、キレイな笑顔でこちらを見ていた。



 俺は思春期特有の恥ずかしさの為に、敢えて軽く会釈してすぐに目を逸らした。

 問題に目を向けながら、それでもあちらを気にしていると、女性の足音が遠ざかって行った。





「蓮くん?」


 いつの間にか近くにいた裕太にぃが、俺の隣の席に腰掛けながら、不思議そうに俺の顔を覗き込んできたけど。

 その姿に俺は気づかないフリをして、シャーペンを動かした。




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