愛する人。




 それから数年経ち、たまにだけど、裕太にぃと一緒にいるあのお姉さんを見ることがあった。


 俺はすでに高校生になっていて、昔ほどは病院に来たりはしなかったけど。それでも、月に数回は足を運んでいた。




「また来てたのか」


 年の離れた兄がこの病院で来年から正式なドクターとして働く事になった。

 俺は医者にならない事を去年家族に話した。でも想像とは違くて、特に叱られることもなかった。




「また木村さんに会いに来たのか?

 まだ検査してるから、時間かかるぞ」


 兄が俺の頭をポンと叩いてそのままエレベーターに乗り込んだ。



 俺はいつものように3階にあるロビーに向かうため、階段を使って上の階へ向かう。




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