愛する人。





 息苦しさが取れてきた俺は、目を閉じ大きく深呼吸をした。

 すると、近くで女の子の『きゃあっ』ていう甲高い、耳障りな声が聞こえた。



「チッ」


 俺は軽く苛つきながら声の方へ顔を向けると、三人組の女子がこちらを見て、またキャアキャア騒ぎ出した。



 ……うるさい。


 俺は無言で立ち上がり、彼女が出て行った硝子扉から室内へ戻った。


 そしてそのまま出口へ向かった。




 裕太にぃには今日あの人がいるから。


 また今度にしようと思った。




< 265 / 440 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop