薔薇の花嫁



何処からともなく青い薔薇のブーケが私の手に。


「ほんの少し お前の血を貰うよ。…恐がらなくてもいい。痛くはないから…」



言い終わるか終わらない内に私の痣に…歯を…


チクッ!


「ウッ…」


彼の歯が…


痛くはないけれど…


ギデオンが顔を上げて


ブーケから一輪の薔薇を抜き


その薔薇の棘で自分の指を傷つけて私の口許へ


「舐めて…私の血を」


ギデオンの声に逆らうことは出来ず


指を舐めた。


「吸って」


指を吸う。




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