亡國の孤城 『心の色』(外伝)

「二人共おかしいぜ!この陰険野郎の何処に惚れたのか知らねぇが……止めとけ……人間が変わっちまうから………それとも、こいつの若かりし頃のあんな事やこんな事を赤裸々にしてやろうか……」

「……バレ―ン…」


ベルトークとゴーガンの前に詰め寄り、顔を上げようとしない二人の頭をわしゃわしゃと撫で続けるバレンの肩を、いい加減にしろと言わんばかりにグラッゾは掴んだ。



……解放された二人は、珍しい事だが………揃って髪の乱れを直していた。

















バレンのいる軍議は大抵、こんな無駄な時間を食う。



終わりと共にバレンは煙草を吸いながら意気揚々と退室してくるのだが………必ず被害に合うベルトー君とガンガンは、表には出さないが、物凄くピリピリした空気を醸し出しており、運の悪い部下は理不尽にも殴られる。
ガンガンに関してはほとんど見境が無い。


























「―――」

「………」









とある廊下の曲がり角付近。

煙管を加えたまま腕を組み、まだチョコか生クリームかで悩んでいたバレンは……部下の一人と遭遇した。


…会っただけなのに、顔面蒼白で硬直する部下。

普通ならここで、この部下はバレンに会釈くらいするべきなのだが……。


………バレンは、実に爽やかな笑みを向けた。




















「…よぉ―、ジスカ…………あ、逃げんなてめぇ」



まだ11か12そこらの長い金髪の少年は、脱兎の勢いで背を向けて走り去る。いや、逃亡をはかった。

バレンはやや早足で、特に意味は無いが少年を追い掛ける。

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