亡國の孤城 『心の色』(外伝)

「よーしジスカ、そこを動くな。……俺のドロップキックを有り難く受け止めろよ…」

「何でですか!?………覚えてろよトウェイン!!」

トウェインの「何をだ?」という言葉に反論する暇も無く、ほうほうの体でジスカは再び逃走を始めた。



遠ざかる足音をぼんやりと耳にしながら、バレンは彼女に向き直った。


こちらを無表情で見上げる少女と視線を重ね、バレンは笑みを浮かべて彼女の頭を撫でた。

「…何ですか………?」

「ん―?………いんや………大きくなったな―と思っただけだよ…」

「背は4センチ伸びました。………申し訳御座いませんが、今探し物をしているので…失礼致します」

トウェインは深く頭を下げ、辺りを見回しながら立ち去って行った。




その華奢な背中を見送りながら、バレンは煙管を咥える。
















「……4センチ、か……」








でかくなったもんだ。
………初めて見た時は、あんなに小さかったのに………。


………あんなに……弱々しかったのに。

………あんなに…。
















「………すくすくと育ってるな………………………………お姫様は……」























< 13 / 258 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop