亡國の孤城 『心の色』(外伝)


探し物、とキョロキョロしながら何処かへ行ってしまったトウェインだが………その彼女が探しているのはきっとこれなんだろうな…とかぼんやりと思うバレン。






普段は人気の無い廊下。
そこで一服しながらダラダラと暇を弄ぶのが日課なのだが………来て見るとそこには先客が一名様。


………一匹様?








「………っ…」

「………」


…暗がりで独り蹲り、不安げな表情で怯えていた………少女。

…近付くと、バッと弾かれた様に立ち上がり、直立から四本足に体勢を変え………バレンに威嚇してきた。




フーッ…と、いつの間にやら口元から覗く牙をむき出しにし、額の第3の目をカッと見開かせている。



………軍服を着た小さな獣の雌がいる。






………多分、独りで部屋の外に出たものの……帰り道が分からず迷ってしまったのだろう。


………迷子か。………ここってそんなに広かったか?





「………そう警戒するなよ。………グラッゾみたいに追い掛けやしねぇって」

グラッゾ、と名前を聞いた途端、今にも泣きそうに涙を浮かべ…ジリジリと後退した。


バレンはニッと口元を歪め、ちょっと刺激を加えれば噛み付いてきそうな彼女にゆっくりと歩み寄る。

「………っ」

一歩距離を詰めれば、彼女も一歩後退する。

そんな奇妙な間合いの詰め合いをしていたが……とうとう彼女は、壁に追い詰められた。


カタカタと小刻みに震える小さな手は、こっちに来るなとばかりに長い爪を伸ばし、光らせる。



バレンは全く臆する事なく………彼女の真正面で…しゃがんだ。





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