亡國の孤城 『心の色』(外伝)
その男は、それはもう………………凄まじく、陰気な野郎だった。
まだ若いのに溜め息ばかり吐いていて、爺さんかと最初は思ったくらいの真っ白な髪で、無口で、非社交的で、周りは皆距離をとって彼を避けていって……。
『―――お前、後ろに立っていたら背後霊そのものだよな』
国家騎士団に入団した初日。
クライブという男との初対面での第一声は、確かこんなものだった。
失礼にも程がある台詞をサラリと言い放ったバレンを、彼は一瞥した後、無視した。
入団してから間も無く、各師団に配属され、バレンとクライブは偶然にも同じ師団に入った。
訓練で組む事も多く、自然、バレンはクライブと共にいる時間が長くなった。
おしゃべりなバレンが、寡黙なクライブにペラペラと話し掛ける光景は何だか異様で…周りからよく、「何故あんな奴とつるんでいるんだ?」と聞かれる事もしばしばだったが、その度にバレンは…。
「何だろうな?」
……と、笑うだけだ。
…師団の中で、二人はとんとん拍子で昇格していった。
……ちょっと変人であると言われていたグラッゾとも任務が重なる様になり…………いつからか、常に三人一緒だった。
クライブは相変わらず独りで歩いて行くが、その後ろに騒がしいバレンが続く。
そしてその後ろから、グラッゾが苦笑を浮かべてついて行く。
並べれば凸凹な三人。
しかし常に並ぶ三人。