亡國の孤城 『心の色』(外伝)
『………もっと…高く……高く………飛んで行け―………飛んで行け―…………っと』
『……バレン、前から気になっていたのですが………時々口ずさむその歌は何ですか?』
いつもの三人は、ある日…総団長に呼ばれ、とある一室で待機していた。
バレンはクライブの後ろに回り込み、歌を口ずさみながら………彼の綺麗な白髪を三つ編みにしていた。
前の方から、『―――…貴様、止めろ』と静かな抵抗の声が聞こえるが、バレンはあえて無視する。
『………この歌?……この歌はな…………俺のド田舎の故郷の………童歌だよ。………妙に頭に残っていてな………たまに歌いたくなるって訳だ』
『……………変な歌詞の歌ですね。………樹から葉っぱが飛んでいく歌ですか…?』
グラッゾは隣りで、だんだんと出来上がっていくクライブの三つ編みを眺めながら言った。
『……グラッゾ……止めさせろ』とか何とか抵抗の声が聞こえたが、グラッゾはあえて無視した。
『――…今までくっついていて、言う事聞いていた葉っぱが、絶え切れずに新の自由を求めて頼りの樹から家出するのさ。飛んだ葉っぱは、地に落ちるまでが自由。後は腐れて死ぬだけ。…あれだ……若げの至りを表現した歌だ』
『………そんな童歌、教育には良くないですね。認めませんよ。………多分、そんな事を言いたい訳では無いと思いますよ…』
『…………………止めろと………言っているだろうが………』
前の方から、静かな抵抗の声が聞こえたが、二人はあえて無視した。
クライブの後ろ髪が三つ編みとして完成する寸前、部屋の扉が開いた。