亡國の孤城 『心の色』(外伝)
―――…三人を呼び出した国家騎士団総団長の、アレクセイ=リドムから聞かされた話の内容は………。
『……………こんな陰気野郎が新総団長か…』
話が終わり、退室した後の帰りの廊下で、バレンは前を歩くクライブをしげしげと見詰めて言った。
『………陰気でも何でも性格に難ありでも、総団長になれるんですよ。………クライブがいい例です』
『……………貴様ら、そういう事は小声で言ったらどうだ…』
国家騎士団総団長のアレクセイは、老いを理由にその座から身を引くとのことだった。
そして彼が次の総団長として抜擢したのが、クライブだ。
総団長直々の指名だ。これ以上名誉な事は無い。
そしてバレンは総団長補佐の副団長、グラッゾは総団長補佐の参謀長、とされた。
『………あーあ…………こいつの下でこいつの命令通りに働くのか…………………転職したいな………あ、次期総団長おめでとう―』
『バレン、前半は思うだけにしましょう』
グラッゾに静かに突っ込まれたバレンは、前を歩くクライブに向かって走り寄り、強引に肩を組んだ。
反動でややよろめくクライブ。
バレンを剥がそうとするが、なかなか離れない。
『グラッゾも並んで肩組もうぜ―?塔内を三人で練り歩こう』
『遠慮します。馬鹿みたいですので』
笑顔で拒否するグラッゾを本当に強引に捕まえ、無理矢理肩を組ませた。
真ん中のバレンは馬鹿笑いしながら、あからさまに嫌そうな二人を半ば引き摺って、広い廊下の真ん中を闊歩する。
『―――実質、俺らの天下だな!』