亡國の孤城 『心の色』(外伝)
「え、何って………あ―…………甘い一時?…色んな意味で。……………何だよベルトー君、何でそんなに睨むんだよ」
ちょっと小刻みに震えてバレンをガン見していたベルトークは、「………いえ…」と直ぐにそっぽを向いた。
………動揺している彼を初めて見た気がする。
「………………私語は慎め。………………部隊の内部編成について、説明する…」
静かになったところで、クライブは本題に移った。
感情を殺し切った無機質な声が、静寂の空間に響き渡る。
「………内部編成、と言いますと?」
羊皮紙を眺めながらグラッゾは呟いた。
「………つい先日、任務で第3部隊と第4部隊の隊長の人間が闘死した事は…記憶に新しいだろう。………本来ならこの空きを代わりの者で埋めるべきだが………それはやめておく事にする」
「………空白のまま……ですか?」
第1、2、5、6部隊だけというのも…何だかおかしい気がするが…。
「……今の我々の戦力と兵の数から考えると……一つの部隊に、もう少し人数を増やすべきだと思う。……………………今のところ、四つの部隊で充分だ。隊長のいない第3、4部隊の兵士達は、各部隊にふり分ける様に…」
これから、偵察やら何やらと…危険な任務が増えていくだろう。
それに備えての編成だ。
…編成の理由に加えてまず第一に、隊長に相応しい兵士がいないこともある。
「………時期を見て、第3と第4部隊は作り直すのか?」
「………………そのつもりだ…」
ということは、しばらくは第3、4部隊隊長の椅子は空席。
次に座るのは誰やら。
埃を被った椅子を見ながら、バレンは思った。