亡國の孤城 『心の色』(外伝)
「………ええ。堅苦しい口調や……無口なところとか…………とにかく似て欲しくないところをしっかり受け継いでますよ…」
「…並んだら親子じゃねぇか…」
クライブとトウェインが並んだ図を想像し、二人揃って苦笑を漏らした。
「………その柔順なお姫様を…………………………あいつはこれから、どうする気なんだろうな……」
「………」
バレンは笑みを引っ込め、だらしなく天井を見上げた。
薄暗い部屋の天井は、闇しかない。真っ暗な空間が夜空の如く広がっているだけ。
「………………………………なぁ……グラッゾ」
「………………何ですか…」
天井に向かって、煙草の白い煙を吹き掛けた。
白い煙は闇に溶け込み、見えなくなった。
「―――…………クライブ……変わったと思わねぇか………?」
以前から感じていた事だった。
昔とは違う。
奴を前にすると………奇妙な違和感が、胸の辺りに渦巻く。
この違和感は、何だろうか?
「………………クライブですか?……………………………彼も貴方も、変わりましたよ…」
「あ?………俺もか?」
予想外の答えに、バレンは天井から目線を下ろし、顔をしかめた。
移した視線の先には、変わらぬ笑顔のグラッゾ。
「……私は、常に貴方方二人の後ろを歩いていますから……分かりますよ。………彼も貴方も、変わりました。…………………貴方が笑いながらクライブを追い掛ける…昔の姿は………もう、見なくなりました………。…………私も、変わりました」