亡國の孤城 『心の色』(外伝)
―――…時々溢れては苛々させる、身体の奥底の重苦しい塊が……グラリと、揺れた。
地震の様に、ジワジワと最初は小さく………そして、大きく。
「―――…ふざけんな………!!」
怒気を露わにした罵声と共に、今まで腰掛けていた椅子が、蹴られた重い衝撃で足を折り………部屋の隅に転がっていった。
「………バレン…」
「…黙ってろグラッゾ。………………おい、総隊長さんよ…………………もう一回言ってみろ…」
制止しようとするグラッゾを無視し、バレンは静かにこちらを見据えるクライブにズカズカと詰め寄った。
ベルトークとゴーガンは無言だが、警戒しながらバレンを睨み付けている。
「………二度も言わせるな。………………………………内部編成だ。空いていた部隊を埋める。………第3部隊隊長を、ジスカ=バルバトス。……………第4部隊隊長を………………トウェインだ」
淡々と述べられる、感情の無い声。
それはバレンの苛立ちを更に煽った。
小さな舌打ちと同時に、バレンはクライブの顔の、真横の壁に蹴りを放った。
―――バンッ……と、部屋中に轟音が響き渡り、壁に小さな亀裂が入る。
「………………お前、自分が何やってんのか……よく分かってるんだろうな……?」
ずいっと顔を近付け、至近距離で睨んだ。
重なるクライブの眼光は、鋭利な刃物同様にギラリと光っていたが………生きた人間の目では無かった。
無感情、無関心。
生気の無い……冷たい瞳。