亡國の孤城 『心の色』(外伝)
震える両拳を、爪が食い込む程痛く握り締めた。


その怒りに震えた拳は、いつ痺れを切らしてもおかしくない。













「………俺は…反対だ。……………大反対だよ。………ジスカは、まだ分かるぜ。………あいつは一人前の兵士だ。戦うために、兵士になった。………だが………トウェインは違う………!!」

カッと目を見開き、赤い髪を振り乱して首を左右に振った。


「………あの娘は違う!……………姫さんは……兵士じゃねぇ!!…姫さんは…まだまだガキで女で………………正真正銘の、お姫様だ…。………それをお前は……!」

「………………その通りだ。…だがあの子は………………今は、兵士だ。………腕の立つ…並の兵士より使える兵士だ…」

「お前がそんな風にしたんだろうが!!」


















………今、初めて気付いたかもしれない。












「………俺は、いまいち……あんたが分からねぇよ……」
















………こいつは………なんて……。




















「………何でだと思うか…?」

























………悲しい……目なんだ。

























「………クライブ…………あんたは…俺達に何も………話してくれないからだ………何も………何もだ………」

















………最初から、か?















………最初から……この男は。




















「…………俺は何一つ………あんたの事を、知らないんだ…」
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