亡國の孤城 『心の色』(外伝)
しばらくの間………バレンとグラッゾは二人して抗議したが、クライブは頑として聞き入れず、内部編成は決定事項となった。
それから数日経った頃。
民間人の反国家組織を根絶やしにするべく、計画が進められていた。
組織の中には、『理の者』と呼ばれる極めて危険で厄介な人間が一人いるという情報が入っていた。
その問題の人間をおびき寄せて捕まえるため、バレンが囮になることになった。
場所は首都の廃墟。
薄明かりが差し込む早朝と決まった。
―――その日の前夜は、春とは思えないくらいの肌寒い風が吹き渡っていた。
軍議に使う部屋には、バレンとグラッゾの二人だけ。
バレンが囮となり、『理の者』を引きつけている間、反国家組織を後ろから襲撃するのはグラッゾの第6部隊と、ジスカの第3部隊だ。
その直前の前夜、最後の確認を終え、ジスカだけ先に退室していた。
「………囮の役割を果たした後…………………俺は帰っても良いんだな…?」
「ええ。後の始末は私達でやりますから」
椅子にダラリと座り、二本ある内の一本の剣を鞘から抜き、ランプの明かりに照らして眺めていた。
………ギラリと光る刀身は、切れ味の良さを物語っていた。
反射する鈍い光沢が瞳を照らし……バレンは目を細めた。
「………俺らは反国家組織の根絶やしに行って………ベルトークとゴーガンは…?」
「……二人は、確か城の偵察で昼間は出る筈ですよ」
「………そうか…」
………そうなると…。
「…クライブ、独り……か」