亡國の孤城 『心の色』(外伝)
隊長クラスの人間は皆、不在。




「少年ジスカ君も……新隊長として……初陣か……。…………俺の目に狂いは無かったって、訳か……」


第6部隊の中でも最年少だった部下のジスカは、バレンが熱心に鍛えた兵士の一人だ。

一年足らずで“闇溶け”をマスターした上、槍を持たせてみれば身体の一部の様に扱いこなした。




ああ、こいつは強い。まだまだその才能は眠っている。

それを叩き起こし、引き出すのは俺だ。





だから、彼が隊長に任命されたのは…予想していた事でもあった。
………嬉しい反面、何だか………………………可哀相な事をしてしまった様な…妙な罪悪感が、残った。






彼は表には出さないが………人殺しを嫌う。

適しているからと言って………嫌いな事をさせてしまう、酷な役柄を押し付けてしまった。






















………つくづく、馬鹿だ。












馬鹿な事しか出来ねぇ、最悪の上司だ。























「………………俺はさ………昔から、馬鹿な野郎だ……」

「………何ですか急に改まって。……事実ですが」

「一回くらい否定してくれたって良いだろうがてめぇ…」


火を点けたばかりの煙管を咥えて吸い、苦い煙をグラッゾの顔に吹き付けてやった。



途端、見慣れた笑顔と共に奴の拳骨が後頭部にクリティカルヒットした。


鈍い痛みが走る後頭部を擦りながら、バレンは意地の悪い笑みを浮かべて椅子に座り直した。





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