使者の黙示録
占ってもらっている男の相棒が、胸のポケットからタバコとライターを取り出す。


(ヤバいのは次の取引だと思うが、あれは2ヵ月後のはずだ)


彼はタバコをくわえると、プラスチック製のライターで火をつける。


(まあ、用心するに越したことはないか)


すると、下を向きっぱなしだった占い師が、不意に相棒の方へ顔を上げる。


「ずいぶん安っぽいライターを使ってるね」

「え?」

「あなたに限っては、そんな安物を使ってると不幸になるよ」

「俺に限って?」

「もっと名のあるメーカーの物に変えた方が良いよ」


彼女はそう言って微笑んだ。

< 101 / 357 >

この作品をシェア

pagetop