使者の黙示録
そこへ、ボディーガードが占い師の女性を後押しする。


「シスター、この占い師は嘘をつかない。心配はいらない」


彼がここまで言うのは、彼女の占いが本当に的中する事実と

これからシスターたちの身に起こることを予言してくれれば、仕事がやりやすくなり

少女たちを危険から防ぐ確率が、ぐっと高くなるからである。


シスター・マヤは、彼の言ったことに安心しきったわけではないが

「心配はいらない」という言葉を信じて、おそるおそる白い布に右手をのせる。


(半年前と同じやり方だな)


ボディーガードの男たちは、そう思った。

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