使者の黙示録
「その使者に会ったあなたは、使者から話を聞くだろう。たぶん、重要な…ん?」


占い師は、急に口をつむぐ。

下を向いたままの顔が、不意に上を向く。

彼女は、シスター・マヤの目をじっと見つめる。


「あなたは…すでに、使者に会っているね」


その言葉を聞いて、唖然となるシスター・マヤ。

さっきから、占い師の言っていることが、よく分からない。

「使者とは神の使いではないか?」と、思いはするのだが

そういう存在に、すでに会っていると言われても

シスター・マヤには、まったく記憶にないのだ。

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