使者の黙示録
「急ですまない。こっちも予定外なんだ」

「…わかりました」


電話を切ったマザー・アミコは、どうするか一瞬考えを巡らす。

ボディーガードがいないと心細いのは確かだが

これまで、アーケードでシスター2人が危険な状況にさらされた事は、1度もなく

今回も大丈夫だろうと考えて、いつもどおりに車を走らせるのだった。


この日のマザー・アミコは、珍しく慎重さに欠けていた。


シスター・マヤに歩みよる死線は

彼女のまわりの状態をも狂わせる。

救いの手が、シスター・マヤから遠ざかって行く。

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