使者の黙示録
彼女たちが入り込んだ細い路地には、誰もいない。

突然、シスター・マヤがガクッと足元から崩れる。


「シスター・マヤ!」


メグが思わず叫ぶ。


「ごめんなさい、シスター・メグ。ちょっと休ませて…」


その場に座り込むシスター・マヤの顔色は、出かける前よりもさらにひどい。

苦しそうな呼吸に、どう考えても普通ではないことを

幼いメグは、子どもながらに感じとる。


「誰か呼んでくる!」


メグはシスター・マヤにそう言うと

その小さい体を、アーケードの通りに向けて走らせるのだった。

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