使者の黙示録
路地を通りぬけ、アーケードにたどり着いたメグであるが

誰かを呼ぼうにも、いったい誰に声をかければいいのか分からない。

メグのよく知るマザーや、シスターがいれば良いのだが

彼女たちは、よほどのことがない限り外出することはない。

しかしメグは、必死で自分の知っている人間を探そうと

自分のまわりをキョロキョロと見わたす。


道行く人たちが、優しそうな微笑みを投げかけてくれるのだが

呼ぶべき人は彼らではないことを、メグの幼い心が判断する。


メグは、その足を中央公園に出る広場の方へ進めるのだった。

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