使者の黙示録
急がねばならない。

子ども心に、そういう危機感を感じるメグは

中央公園に続く広場に出ると、再び辺りを見まわす。


だが、人通りがいくぶん緩やかになり、確認しやすくなったとはいえ

はたしてメグの知っている人間が、おいそれと見つかるかどうか。


(いた!)


メグは見つけた。

メグが知っている、その人物は

パチンコで負けたせいか、がっくりと肩を落とし

そのヨレヨレの服は、負け犬の様を呈している今の状態に、実にぴったりで

そして、死んだような顔をしながら、ゆっくりとメグの方へ近づいて来る。

< 142 / 357 >

この作品をシェア

pagetop