使者の黙示録
何かに突き動かされるようにして身仕度を整え、部屋をあとにした団司だが

これからどこへ行けば良いのか、さっぱり分からない。


まず、気になるのはルゼの安否だ。

名前もよく覚えていない彼女は、自分の胸のなかで何を訴えようとしていたのか。


(彼女に何かあったのか?)


そう思った団司は、ルゼに初めて出会った場所に足を進める。


直感だが、おそらく彼女は無事だと思う。

なにせ彼女は、未来を占う予言者だ。

身に迫る危機は、その能力で回避できるに違いない。

そんな彼女が、犯罪や事故に巻き込まれるとは、ちょっと思えない。

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