狼様の愛のカタチ理論【番外編】
「だから、大丈夫です!そんな顔をしないでくださいっ」
手を握りニコリと笑いながら言うと、院長様もニコリと笑う
「そうね…ありがとう。でも…きっとそれは難しいわ」
「え?」
ど、どうして?頭をコクリと傾けると院長様は口を開く
「絶対に、扇李はそれを許さないわ」
「そ、そんなことは…」
だって、扇李…私には甘いし…ある程度ならおねだりすれば聞いてくれる
ま、まぁ…身体をはってのおねだりだけど
「いいえ、絶対に…私は分かるのよ」
「そう、なんですか?」
「えぇ」
何を根拠に言うのか分からないけど、院長様が絶対と言う時は絶対だ
そうなると、本当に当分は会えなくて…
「…」
無意識に落ち込んだ顔をすると、院長様は慌てて私に笑顔をぶつける
「わ、私なら大丈夫よ!沙優に会えないのは寂しいけど、次に会った時の変化に…期待してるからね」
「へ?…変化、ですか?」
変化って、なにが?なんで、こんなに意味の分からないことばかり言うんだろう
さっきのお茶してる時もそうだし…
「あの、院長様?」
その意味を知りたくて名前を呼ぶと、院長様は"あ!"と私の言葉を遮る
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