狼様の愛のカタチ理論【番外編】
「そうだわ、沙優!」
「は、はい?」
「扇李に伝言があるのよ。伝えてくれないかしら」
「え?あ、はい…なんですか?」
「ふふ、あのね今夜は"ザクロを食べなさい"って伝えておいて」
「へ?ざ、ザクロですか?」
ザクロって確か、真っ赤で中身は種ばかりみたいなフルーツだよね?
なんで、そのザクロなの?
意味不明で先が見えない言葉に再び首を傾げると
院長様はふぅと息をはき話を切り上げ逃げるように従者が用意をした馬車に乗り込む
「じゃあ、そろそろ本当に行くわね?沙優も身体が冷えるから早く中にはいりなさい」
「あ…」
「それと、扇李と仲良くね?」
「ちょっ、院長様っ」
"待ってくださいっ"そんな私の言葉を完璧に無視をして院長様はお付きの従者と颯爽と宮殿をあとにしてしまった―…
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