狼様の愛のカタチ理論【番外編】
「ありがとう」
「…あぁ」
最近、思うことがある。扇李ってこーやって所謂相合い傘をするのが好きみたい
前の雪の日も、私が傘を手にしていると必ずそれを奪いこーやって入ってくる
まぁ、私も扇李とくっつけるし好きだからいいんだけどね
扇李の腕に手を回し、寄り添うように近寄ると扇李が満足したように微笑む
「なんだ、珍しいな」
「そう?なんとなくしたかったから」
「そうか」
「うん…あ、そうだ!」
「…?」
そう言えば、院長様からの伝言を伝えなくちゃ
私もその意味をしりたいし
「あのね、院長様から扇李に伝言があるの」
「マリナ様からか?」
「うん、なんか…今夜はザクロを食べろって…」
「………」
「ザクロって、赤いフルーツでしょ?」
両手でザクロの形を表現して、扇李の顔をみると少し固まったような表情だ
「あれ、どーゆう意味なの?なんでザクロ?」
首を傾げながら聞くと、扇李は急いで私の手を引き
門番に傘をあずけ、宮殿内にはいると誰もいない部屋に押し込まれ
ガチャンと鍵を掛ける音が部屋中に響いた
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